医療用レーザーを利用した治療が幅広く行われるようになっています。それはがんの治療でも同様で、レーザーのメリットを活かしたレーザー療法という治療方法があります。レーザーを患部に使用することで切り取るのです。

このレーザー療法は通常内視鏡を使用して行われます。内視鏡を体の内部へと挿入して病巣まで辿り、ガン細胞の状態を確認したうえで切除することになります。メスを使った切除手術に比べて患者の負担が少なく行うことができるのが最大の特徴といえます。また、出血量が少ないことや、病巣の周囲にある正常な組織を傷つけるリスクが少ない点も大きな魅力となるでしょう。

開腹手術など外科手術の場合、手術時間も長くなるため高齢者などは体力の問題で行うことができない場合もあります。しかしレーザー療法なら手術にかかる時間も格段に短く済ませることができるため、幅広い層に活用することができます。具体的な治療方法としてはガン細胞を焼ききる「腫瘍焼灼法」やレーザーによる化学反応によってガン細胞を死滅させる「光線力学的療法」があります。

がんの治療に使用されるレーザーは主に３種類。炭酸ガスレーザー、アルゴンレーザー、ヤグレーザーです。それぞれ特徴があり、炭酸ガスレーザー、アルゴンレーザーは皮膚の表面を切除するのに適しており、皮膚がんによく利用されます。一方ヤグレーザーは大腸がんや食道がん、子宮がんなどに利用されます。

切除できる範囲に限りがあることや費用が高価になるといったマイナス点もありますが、負担が少なくがんの治療を受けられる方法として今後さらに広まっていくことが期待されています。

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