腎臓は助骨の下端の位置に、ソラマメのような形で左右1個ずつあります。腎臓の機能は血液から余分な水分や老廃物などを尿として生成するとともに、血圧のコントロールなどにも関与しています。腎臓は尿を作る腎実質と呼ばれる部分と、尿が出て行く部分となる腎盂とに分けられますが、一般的に腎臓がんという場合はこの腎実質側ががんになった状態のことを言います。

また腎盂やそれに続く尿管などで発症したがんは腎盂・尿管がんと呼ばれます。腎臓がんは直径が5cm以下の場合にはほとんど自覚症状はありません。しかしがんの大きさがそれを上回るようになると、さまざまな症状が現れるようになります。

腎臓がんで最も一般的に見られる最初の症状は血尿です。しかし血尿が出る疾患は腎臓がんに限られるわけではないので、血尿のみを以て腎臓がんだと判断するのは早計です。腎臓がんが発達してくると、脇腹あたりに腫瘤と呼ばれるコブのようなものが表れます。また背中や脇腹などが痛むようになります。腎臓がんは全身的な症状として、発熱や貧血、また体重の減少などの症状が見られます。腎臓がんは隣接する臓器が多いため、肺や骨などに転移しやすく、そのため肺に転移した際などには息切れや咳などが表れるようになり、骨に転移した際には腰痛などが起きやすくなります。

また腎臓では一部のホルモンが生成されているため、腎臓がんによって高血圧や高カルシウム血症、また陰嚢部分の血管が浮かび上がる精巣静脈瘤が起こることもあります。

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