リンパとは人体の免疫システムの１つで、リンパ液、リンパ管、リンパ節、胸腺、脾臓、扁桃腺などから形成されています。リンパ管の中を流れているのは液体成分と、主に白血球です。悪性リンパ腫というのはこうしたリンパのいずれかからおこる腫瘍で、特に体の部位を特定することはできません。

悪性リンパ腫は全身性の血液のがんであるため、通常は外科手術を行うことはありません。また放射線療法も全身に使用することは危険であるためあまり用いられません。悪性リンパ腫の治療はその多くが化学療法となります。しかし悪性リンパ腫の場合には、他のがんに比較して化学療法が良く効きます。一般的に化学療法はがんの悪性度が増すほど良く効くと言われています。

また悪性リンパ腫には欧米人などに多く見られるホジキンリンパ腫と、日本人に多く見られる非ホジキンリンパ腫に分けられますが、特にホジキンリンパ腫では化学療法の効果が大きいとされています。悪性リンパ腫の症状としては37度程度の微熱、首、脇の下、足の付け根などにあるリンパ節のしこり、体重の減少、大量の寝汗などがあります。特にリンパ節のしこりは顕著で、悪性リンパ腫が疑われる場合には、直接リンパ節から細胞をとって生検を行うことで病名を明らかにする場合があります。

なお悪性リンパ腫の場合、全身性のがんとなるため、胃がんや乳がんなどのように、患部を切り取ることで完全に治癒したという表現を用いることはできません。そのため血液検査やがんの症状に関するさまざまな検査、CTスキャンなどによる診断などでがんによる異常が収まった状態である「寛解（かんかい）」という言葉を用います。

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