大腸と一口に言っても、大腸には盲腸から始まって上行結腸、横行結腸、下行き結腸、またS状結腸、直腸と分かれており、全体をひっくるめるとひじょうに大きな臓器となります。これらのどこにでもがんは発生する可能性があります。発生率からいえば、最も多いのは直腸がんで、大腸がんの約38％を占めており、次に約34％でS状結腸が続いています。

大腸がんはどこにできても早期に症状が自覚されることはほとんど無く、がんがある程度進行し、出血することで血便がでることにより始めて気付くことが多いようです。血便が出る、あるいは便が細くなる、残便感がある、下痢と便秘をくり返す、腹痛などはある程度進行した大腸がんではよく見られがちですが、出血を痔によるものと勘違いして発見が遅れることなどもあります。

特に肛門に傷みもないのに血便が出た。あるいは原因不明の貧血が続くというような場合も大腸がんが疑われます。また始めて気付いた症状が腹鳴、腹部の膨満感、腹痛、しこりなどという場合も多くあります。またがんが進行して腸閉塞を起こした場合には嘔吐が起きるため、この時点で始めてがんがわかることもあります。

大腸癌になりやすい人には、大腸にポリープがある人、血縁者に大腸がんになった親戚がいる人、喫煙者、特に大量にお酒を飲む人、繊維分が少ない食生活の人、潰瘍性大腸炎にかかったことがある人などがあげられます。現在では大腸がんは早期に発見すれば、ほぼ完治することが可能です。また内視鏡を用いて、身体に与えるダメージを最小限におさえた治療方法も確立されています。

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